COLUMN お役立ち記事

【ガソリンスタンド法律解説】息子がいるが、SSを甥に継がせたい

※本コラムは、弊社代表の西尾が「月間ガソリン・スタンド」で連載している内容をもとに、再構成・加筆したものです。

質問

現在SSを経営しており、20歳になった息子が1人いるがSSの経営には関わっていない。一方で、日頃からSSを手伝っている甥に、将来はSSを継がせたいと考えている。息子本人も納得しているため、SSは甥に承継し、息子には相続させない内容の書面を作成し、互いに署名捺印して遺言とした。この場合、将来相続が発生し、息子の気が変わったとしても、甥にSSを継がせることはできるのか。

弁護士による解説

相続が発生した場合、遺言がなければ被相続人の遺産は法定相続人に包括承継されます。今回の事例でも、相談者が遺言を作成するなどの措置を講じていなければ、遺産はすべて息子さんに相続されることとなります。

ただ、遺言は要式つまり法律できまったルールに沿って作成しなければ、その効力が認められません。このうち「共同遺言の禁止」(民法第975条)というルールがあり、遺言は遺言者がひとりで作成する必要があります。一部に救済的な裁判例はみられますが、二人以上が共同で作成した遺言は基本的に無効となります。

また、相続人は生前に相続放棄することもできません。今回の事例でも、遺言は無効となり、SSを含めた遺産はひとまずすべて息子さんに相続されてしまうと考えられます。そのため、息子さんの意向次第で甥っ子さんはSSを継ぐことができなくなりますので、改めて有効な遺言を作成するとか生前に甥っ子さんに譲渡する等の措置をとる必要があるでしょう。

この記事の監修者

西尾 公伸
弁護士・日本エクイティバンク株式会社代表取締役

第二東京弁護士会所属。中央大学法学部法律学科卒業、大阪市立大学法科大学院修了。
1983年生大阪府堺市のガソリンスタンド経営者の長男として生まれる。
中央大学法学部卒業後は大阪市立大学ロースクールへ進む。社会人アメフトのトップリーグであるXリーグで現役選手として活躍しながら司法試験に合格。所属するAuthense法律事務所では統括責任者としてアメフトで培ったチームワークをモットーに企業様や経営者様のに寄り添ったサポートを行う。事業承継に伴う未解決の課題を解決し、全ての現役オーナー経営者が経営をやり切るための仕組みと文化を創り出すために、2024年日本エクイティバンク株式会社を創業。

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