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【ガソリンスタンド法律解説】SSを従業員に承継する場合、何に注意すべき?

※本コラムは、弊社代表の西尾が「月刊ガソリン・スタンド」で連載している内容をもとに、再構成・加筆したものです。

質問

法人を設立し親から相続した土地でSSを経営している。創業時に当該土地に抵当権を設定しているほか設備投資のために銀行から融資を受けており、個人保証を提供している。従業員に後継者候補が現れたのでその者に承継しようと考えているが、事業承継を進めるにあたって留意点はあるか。

弁護士による解説

中小企業が設備投資などに際して銀行等の金融機関から融資を受けた場合、代表者などの経営者保証が提供する融資慣行が見られます。これは、中小企業においては企業と経営者個人が実質一体となっている場合が多く、経営者の規律付けによるガバナンスが必要であること、財務基盤が強固ではないこと、借り手の情報開示が十分にされ難いことなどが理由とされています。

そして事業承継においては、承継させる側としては事業を手放す以上その保証からも免れたいと考えるのが通常ですが金融機関の同意が必要となること、後継者としては経営者保証を避けたいと考えることが課題となります。またSS経営においては、店舗の不動産が担保提供されることも多く、あわせて留意が必要です。

SS経営において店舗用不動産の購入や一定の設備投資などに際して金融機関からの融資を受けることがあり、その金額は数百万円から数千万円、場合によっては数億円に上る状況が想定されます。これに経営者保証が提供されている場合どのように対応するか。単純な後継者への付け替えやリファイナンス(後継者が保証を引き受けて新たな融資を受けつつ既存の借入れを完済する方法)のほか次のような措置が考えられます。

まず「経営者ガイドライン」を活用して後継者の保証なし目指す方法。次に経営者保証を不要とする信用保証制度(事業承継特別保証制度)を活用する方法です。紙幅の関係で詳細は割愛しますが、これらを的確に進めるには、後継者候補の意向や状況、法人と経営者個人との区分・分離、法人の財務状況やその開示、物上保証の有無などを確認・整備する必要があります。いずれにしても準備と対策に相当程度の期間を要する施策であるため時間的余裕をもった準備が必要となります。

また、経営者個人が所有するSS店舗敷地に法人の債務を担保する抵当権が設定されている場合にはその帰すうについても検討すべきこととなります。やはり承継させた元経営者の個人資産に法人の債務を担保する抵当権が残る状況は避けたいところですが、その担保価値から金融機関の同意のハードルは一層高くなります。

対応としては、ひとつに上記の経営者保証と同様に解除に向けた協議が考えられ、その際は後継者や法人で追加担保を提供できるかが大きな要素となります。そのほか法人とあわせての所有権譲渡が検討される場合もあります。もっとも譲渡代金の総額が増えて融資の難易度が高くなったり、承継させる側にとって先祖代々の土地を手放すこととなるため関係者の調整が難航するなどこちらも容易とはいえません。これらが奏功しない場合、個人資産に付された抵当権については相当期間にわたって段階的な担保の解消を図らざるを得ないこととなります。

この記事の監修者

西尾 公伸
弁護士・日本エクイティバンク株式会社代表取締役

第二東京弁護士会所属。中央大学法学部法律学科卒業、大阪市立大学法科大学院修了。
1983年生大阪府堺市のガソリンスタンド経営者の長男として生まれる。
中央大学法学部卒業後は大阪市立大学ロースクールへ進む。社会人アメフトのトップリーグであるXリーグで現役選手として活躍しながら司法試験に合格。所属するAuthense法律事務所では統括責任者としてアメフトで培ったチームワークをモットーに企業様や経営者様のに寄り添ったサポートを行う。事業承継に伴う未解決の課題を解決し、全ての現役オーナー経営者が経営をやり切るための仕組みと文化を創り出すために、2024年日本エクイティバンク株式会社を創業。

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